「病気を無くす」ホームページ 表題2
散歩、足指・足首運動および腿上げ運動が、
脳梗塞や心筋梗塞等を無くす!
恵夢 直太(えむ なおた)
血流改善には、散歩以外に、足指運動が重要です。足指は心臓から一番遠いところにありますが、5本の指先まで血液を送り、各指の先から上半身に戻すのは簡単ではないのです。足指の筋肉を動かせば血液も動くのですが、残念なことに現代人は靴を履いていますから散歩をしても足指の筋肉は動かないので、靴を脱いで足指運動する事が血流改善に重要です。
水虫は、後の項目「3-9 水虫の原因は静脈拡張物質NO」で分かる通り、足指の血行悪化が原因です。3人に1人は水虫であると言われるほど日本人に水虫が多いことから分かる通り、3人に1人は足指の血行が悪化しています。
高血圧の人は、足の痙攣やこむら返り(65歳以上で50%の人に認められる。「夜間有痛性筋痙攣」)が多くいます。足指運動で足の血流は改善しても、ふくらはぎが動いていないと、血液は止まってしまいます。散歩ではふくらはぎの動きが不足しますので、足を上下に動かす足首の運動も必要です。
以上から、足指・足首運動を励行してください。足指は日常動かすことがないので、通常はスムースに動きませんので、徐々に回数を増やしてください。
腿(モモ)上げ運動は、この腸腰筋を伸縮させ、周囲のお腹の臓器の血行を促進し活性を高め、大腿神経の活性も高めます。だから、腿上げ運動は、腰痛・夜間頻尿などの膀胱・前立腺絡みの疾患を改善し、便秘や痔を無くします。
腸腰筋の周囲にある腎臓も血流が促進され活性化されます。腎臓は尿を作る臓器ですが、同時に細尿管でナトリウムやカリウムなどのミネラルの濃度調節により血圧調節に関与しています。腎臓の上には副腎があり、ステロイドホルモンを合成しています。ステロイドホルモンも血圧の調節に関わっています。このような事から、腸腰筋の運動は、腰痛などのほか、血圧にも良い影響があります。2-3-3 腿(モモ)上げ運動の注意事項
腿上げ運動を始めてしばらくすると、お尻から足に痛みを感じることがあります。この時あまり強い痛みがあれば、無理をしないでください。しかし、我慢できる軽い痛みであれば、回数を減らして腿上げ運動を続けてください。この痛みは、股関節を支える筋肉(梨状筋)が、坐骨神経を刺激する痛みです。ですから、梨状筋が運動により柔らかくなれば治ります。しばらく我慢をお願いします。
人体は、全身を回った静脈血には血栓があることを想定している様に、血栓の流れを防ぐ機構が沢山あります。例えば、血液より比重の重い血栓は流れにくく、静脈の弁が血栓流動の妨げになり、静脈内に血栓が長時間留まることにより、溶解します。血栓溶解の最も重要なものが、心臓の機能です。以下の水道水の浄水場と心臓の画像を見ていただくと、水道水と血液が浄水場と心臓で各々ゴミと血栓を取り除いていることがよくわかります。
こうして心室底部に溜まった血栓は、心臓ホルモンBNP(次の項目で説明する)で溶解されるのです。
残念ながら血栓が多量あるいは大きい場合には、心臓ホルモンBNPで溶解しきれずに血栓が肺に流れます。肺は、浄水場のろ過機の役目をしており、肺の毛細血管が血栓をろ過します。胸部に痛みを感じた時は、肺のホルモンCNP(次の項目で説明する)で血栓は溶解されます。肺で短時間に処理できない量・大きさの血栓の場合は、肺(胸部)に痛みを感じます。 肺(胸部)の痛みは、肺血栓の警報(項目「3-6 胸の痛みは、肺からの血栓警報」で説明する。)です。そして、血栓により肺に血液が滞留するため、肺の静脈側に2次的な血栓ができ、肺静脈→心臓(左心室→左心房)と血液に乗って血栓が流れますが、心臓左心房ー左心室の血流Uターン構造により、血栓が左心室の底部に留まり、右心室の場合と同様に心臓ホルモンBNPで溶解されます。上図の通り、血流中の血栓は、ほとんどの場合大動脈に至る前に溶解されますが、その溶解能力にも限界があります。脳卒中や心筋梗塞を完全に無くすためには末梢で血栓を作らない事が必要です。末梢で血栓を作らない為には、末梢(手足)の血流を円滑にする運動が必須です。ここで言う運動とは、体内の関節を動かすことをいいます。重い物を持ち上げたり器具を使って筋肉を増加させる運動は必要ありません。今まで見てきた項目「1 運動が血流を改善する」や「2 血流改善のための運動」に示した内容を思い起こしすぐに毎日運動を始めて下さい。
急性心筋梗塞の死亡率は急性心筋梗塞の死亡率を「1」とすると、脳血管疾患の死者数はほとんど「3」です。死亡率とは人口10万人当たりの死亡者数です。
(1)国内の脳血管疾患の比率
脳血管疾患による突然死は、脳内出血を伴う場合と、血管が詰まる脳梗塞及びその他に分けられますが、その比率は下表の通り37%が脳内の出血による死亡です。
(2) アルテプラーゼ投与後の脳血管疾患の比率
アルテプラーゼとは血栓を溶解する薬で心筋梗塞や脳梗塞の特効薬です。
下表の通り脳梗塞発症後アルテプラーゼを投与された103名の患者のうち38%の人が脳内出血を発症しています。
(上のデータはネットの「アルテプラーゼの医薬品インタビューフォーム」より:医薬品インタビューフォームとは、厚生労働大臣が医薬品承認の判断に使用したデータの一部です。)
上表の患者は、アルテプラーゼを投与された時点では、脳内出血やくも膜下出血がないことが確認されています。
ECASS-1試験は、脳梗塞の特効薬であるアルテプラーゼの投与可能時間を、発症後3時間以内から4.5時間以内に延長するために欧州14カ国で実施された試験です。
ECASS-1試験では、正常又は軽度の早期虚血性変化の認められる患者をプラセボ(下記注参照)投与群と実薬投与群に分けて、二重盲検試験しています。前記のアルテプラーゼのインタビューフォームの場合と同様に、発症時に脳内出血のある患者は対象からはずしています。この結果に基づき、2012年8月に発症後4.5時間以内は投与可能という事が厚生労働大臣により承認されました。
注:プラセボとは、外見は本物の薬と全く同じですが、薬として効く成分が入ってない偽物の薬です。薬を飲むだけで安心して病気の症状が改善する人がいますので、通常、臨床試験などでは、一方は本物の薬を、もう一方はプラセボを投与して効能効果を比較します。二重盲検試験とは、どの患者にプラセボを投与しているか医師・患者共に知らない状態(試験管理者のみが知っている)で行う試験を言います。
ECASS-1試験の結果は下表の通り、プラセボ投与群で出血性脳梗塞の発現率は30%でした。
(4)脳内出血者比率のまとめ
「(1) 国内の脳血管疾患死亡者数の比率、(2) アルテプラーゼ投与後の脳血管疾患の比率、及び
(3) ECASS-1試験のプラセボ投与群の比率」の脳内出血者数の比率をまとめて下表にしました。
「表」まとめ(脳梗塞における脳内出血の発生比率)
アルテプラーゼ投与後の脳内出血者数やECASS-1試験プラセボ投与群のデータに見られるとおり、脳梗塞発症時には脳内に出血がない患者でも、その後30%を超える人が脳内出血に至っています。このように、脳血管疾患による突然死は、脳梗塞と脳内出血がありますが、いずれも 初めは脳梗塞が原因で、病状の進行により脳内出血に至る人もいると考えられます。
脳梗塞が進行し脳内出血に至るのは、血栓が脳血管に詰まることで血栓溶解機能が過剰に動き出し、脳の弱い血管を破損する為と考えられます。
血栓溶解は血管内皮細胞から分泌される組織プラスミノーゲン・アクチベータ(t-PA)の機能です。先に見たアルテプラーゼは、遺伝子組換え法により得たt-PAで、脳の血管に詰まった血栓を溶かす薬です。この薬の最も問題となる副作用は出血性脳梗塞です。この事から血管内皮細胞から分泌されるt-PAも過剰に分泌されると脳出血が起きると思われます。
この説明では、痛風は足の親指の根元に多発するのですが、尿酸の結晶化が足の親指の根元に多発する理由が説明できません。もし尿酸結晶が原因ならば、体内どこにでも結晶ができ、足以外の脳や心臓冠動脈などに詰まり、命に関わる病を発症することもあるはずでありますが、痛風にこのような事例はありません。 尿酸はプリン体の代謝物ですが、プリン体は体内に沢山存在する重要な化合物です。DNA(遺伝子)はヌクレオチド(塩基・糖・リン酸の化合物)がたくさん繋がり、二重らせんを作っていますが、DNA中の塩基は半分がプリン体です。二重らせんを作る時、塩基が対になっていますが、人間の場合58億対の塩基が一つの細胞の中にあります。DNA中の塩基対の中には必ずプリン体が含まれますので、一つの細胞に58億個のプリン体があります。人体には、60~70兆個の細胞があるりますから、少なく見ても58億の60兆倍のプリン体があります。そのほか体内で大活躍しているATP(アデノシン5`−三リン酸)は、細胞増殖、遺伝情報の伝達やタンパク質の合成など、生命活動の最も重要な場面に不可欠な化合物です。このATPもプリン体です。そして、ATPは、血管を広げて血流を増加させる働きがあると同時に、強い痛みを発する物質です。
このように、人体に、必要不可欠で、数えきれないほどあるプリン体ですが、不要になったプリン体は、分解され尿酸となり排泄されます。分解経路は、プリン体アデノシン→イノシン→ヒポキサンチン→キサンチン→尿酸 です。尿酸は水にほとんど溶けません。しかし、人体は、水に溶けない脂分であるコレステロールでもタンパク質にくるんで大量に血流で運搬するように人体に数えきれないほどあるプリン体の分解物である尿酸を、タンパク質にくるんで血流で運搬するのは、お手のものと思われます。誤った痛風原因説明の様に、血液で運搬中にタンパク質のおくるみが剥がれて結晶化するなど考えられません。
以上の状況から導き出されるのが、以下の正しい痛風の原因説明です。
[正しい痛風の原因説明]
足指は血液が滞留しやすい場所です。足指に血液が滞留した時に、滞留を改善する為に足指の動脈内皮細胞からATPが分泌されます。ATPは血行改善と同時に強い痛みを発する物質ですから、痛風患部に血行改善による発赤と痛みを発するのが痛風です。ATPは役目を終えると分解され尿酸になり腎臓から排泄されます。
これが、痛風を発症すると、血中の尿酸濃度が高くなり患部が痛くなる原因です。痛風患者が男性に多いのは、男性は筋肉量が多く、足指筋肉の血液必要量も多いため、血液滞留が起こりやすい為と思われます。 以上の正しい痛風の原因説明によれば、足指運動による血行促進が痛風を無くす事は明らかでます。
「薬事ハンドブック2009」(じほう社刊)に、高血圧の薬が、脳梗塞や心筋梗塞等を減らさないという臨床試験の報告がありましたので、以下着色部に引用します。引用文のテルミサルタン及びイルべサルタンは、よく使われている血圧薬です。プラセボとは薬効の無い試験用の模擬薬で、投与されても小麦粉を飲んでいるようなものです。
2008年8月の欧州心臓病学会で報告された大規模臨床試験(TRANSCEND)の結果
血圧薬テルミサルタン投与群の「複合心血管異常」の発生率は、プラセボ投与群よりも8%減少したものの、統計学的には有意差が認められなかった。
2008年11月の米国心臓協会で報告された大規模臨床試験(I-PRESERVE)の結果
血圧薬イルベサルタン投与群2067人、プラゼボ投与群2061人について「総死亡、心不全などによる入院」はイルベサルタン投与群742人、プラゼボ投与群763人で、統計学的には有意差が認められなかった。
2008年5月の欧州脳卒中学会で報告された大規模臨床試験(ProFESS)の結果
血圧薬テルミサルタン投与群10146人とプラセボ投与群10186人(脳卒中発症後10日以内の患者を40%含む)で比較した。血圧は総じてテルミサルタン投与群で低いが、「脳卒中再発」率に両群間で有意差はなかった。また、「脳卒中、心筋梗塞、血管系死亡または心不全発症、及び糖尿病新規発症」もテルミサルタン投与群で減少傾向を認めるが、統計学的には有意差があるとは言えない程度であった。
高血圧薬とプラセボで効果に差を認めないとは驚きですが、前項目で見た通り、脳梗塞や心筋梗塞等の原因は末梢から流れついた血栓であることから、この臨床試験結果は事です。
実は、高血圧は病気ではありません。脳梗塞や心筋梗塞等で命を落とす事はあっても、高血圧で命を落とす事はありません。血液が血管を押す力を血圧と言いますが、圧力とは単位面積にかかる力です。このため、高血圧により、面積の大きい大動脈などには大きな力がかかり、大動脈解離など命に関わる病気が発生しますが、脳血管や心臓冠動脈などの細い(面積の小さい)血管には、ほとんど力がかかりません。脳血管や心臓冠動脈などが破損するのは、他から流れてきた血栓が詰まるからです。血栓が詰まると、周囲の組織が酸欠になると同時に、自己治癒力による血栓溶解のために血管内に分泌される利尿ホルモン、t-PAやNOなどの物質が、血管を損傷します。上の臨床試験の血圧を下げる薬は、血圧をあげるシグナルを遮断するもので、血栓を溶解し、血行を改善する作用は有りません。このことから、大規模臨床試験の結果の通り、血圧の薬が脳卒中などを減らさない事が理解できます。
血圧が高くなるのは、体内のどこかに血流が円滑でないところがあるから血圧を高めて血流を改善しようという自己治癒力です。従って、血流を改善しない限り、真の血圧改善にはなりません。真の血圧改善のために「足指運動などで血流改善する」ことをお勧めします。血流が改善すると、血管中の血栓が無くなり、血栓が脳や心臓の血管をふさぐ脳梗塞や心筋梗塞等も無くなります。ただし、高血圧薬をすでに服用中の方は医師とよく相談してください。
死亡前の生活活動
|
発生比率(%)
|
就寝
|
33
|
入浴
|
9
|
休息、休憩
|
7
|
排便
|
5
|
歩行、階段昇降
|
4
|
家事、身支度
|
3
|
食事
|
3
|
作業、労働
|
3
|
その他
|
33
|
合計
|
100
|